長年住宅関係の仕事をしている私の口から言うのも何ですが「住宅の価格、坪単価というものは、実に分かりにくく誤解を受けやすいもの」だということ。 工務店などの施工業者は昔ながらの自然乾燥木材の良さはよく分かっているはずです。 しかし自然乾燥には3~5年もの歳月がかかり、乾燥途中で割れたり変形したりしてロスも多いため機械乾燥の木材に比べてかなり割高になってしまいます。しかも自然乾燥木材を扱う施工業者は木のクセを読み、上手に使いこなす高度な技術も求められます。 優家団が使うカイケンの木材は、高い強度を誇る南九州産の杉。 「何で特産の秋田杉を使わないの?」と聞かれることがありますが、南九州産の杉は北国の杉よりウイルスや細菌毒素などから生体を守る成分「免疫グロブリンA」や油分が多く含まれているからです。 この南九州産杉本来の質を保ちながらコストをかけないユニークな乾燥方法で仕上げたのが「音響熟成木材」です。 |
木に音楽を聴かせるの? | |
木は伐採されてもその細胞は生きています。 カイケンでは伐採して製材した木を常温熟成庫に運び込みます。 生きている木がもっともリラックスできるのは38℃前後と考えられており、50℃以上になると木の細胞は完全に死滅してしまいます。 カイケンの常温熟成庫では季節に関係なく庫内の温度を38℃前後に保ち、合わせてクラッシック音楽(バッハの曲)を流しているというのです。 この方法を初めて聞いた時は失礼ながら笑ってしまいました。 秋田県内では酒の蔵元が仕込み蔵でスムーズに醗酵させようと音楽を流しているという話を聞いたことがありますが、木材を乾燥させるのにも音楽を流す? 単なる話題つくりのようにも思われましたが、担当者からよくよく説明を聞き、私は「音響熟成木材」の原理を次のように理解しました。 |
カイケンの音響熟成庫 |
音響熟成木材の原理とは | |
スピーカーから流れる音楽は空気中を伝わる「高~低音さまざまな波動」となって杉材にぶつかります。 波動は水分に反応して水分だけをゆっくり押し流し、杉材の油分や防菌・保水・保湿作用などの働きを持つエキスはそのまま残ります。 一方、機械乾燥は高温で一気に乾燥させるため大切な油分やエキスも水分と一緒に蒸発、木の細胞も破壊されてしまいます。 「音響熟成庫」では24時間常にクラッシック音楽が流され、その波動が木材の水分を刺激し続けています。 多くのジャンルの中でなぜクラッシック、しかもバッハの曲なのかまでは分かりませんが、木材から水分だけが抜けることだけは確かなのです。 ちなみにロックでは波動が乱れるので適さないという話を聞いたことがあります。 季節や天候に左右されない「音響熟成庫」の中、木にとって最適な条件の中で波動を与え続けることによって、昔ながらの天然乾燥より短かい期間で、天然乾燥に近い生きた素材に仕上げることができるのです。 「音響熟成木材」は、圧縮、引っ張り、曲げなどの強度性能についても、第三者機関による調査の結果、高い評価を得ているといいます。 |