家づくりへの思い
木と土と紙の家
江戸時代末期、初めて日本を訪れた外国人は各地で庶民の住まいを見て「家は木と土と紙でできている」と驚いたといいます。
柱や梁、床、腰板などには木を使い、壁面は土壁に漆喰を美しく塗り上げたもので、部屋を仕切る襖や障子は和紙。
まさに高温多湿といわれる日本の気候風土に適した住まいでした。
明治、大正、昭和と時代と共にセメントやガラス、トタンなどの建築資材も登場するようになりましたが、日本家屋の基本となる資材は大きく変わることはありませんでした。
家づくりへの思い11
昭和40年代から建築資材の工業化
この伝統的な日本の住まいが大きく変わり始めたのは、昭和40年代に入ってから。
同じ間取りと設備の住宅が建ち並ぶ大型団地が全国各地に建設されるようになり、それにともない建材や資材の工業化が一気に進みました。
規格品を「できるだけ安く、できるだけ早く」という考え方の下、合板や化粧版、壁紙などが大量に生産され、各地の建設現場に送られました。
時はまさに高度経済成長時代、マイホームブームの到来です。
木目の美しい杉板を薄くスライスして合板に張り付けた化粧合板は見た目もよく、それを張った和室は一見、高級そう。
居間の床には外国風のビニールクロスが敷かれ、掃除も手入れも簡単。加えて建築費は安く工期も短くなったことから住宅建設は一気に進みました。
家づくりへの思い10
増えつつあるアトピー患者
私は東京オリンピックが開催される4年前の1960年(昭和35年)、東京生まれ。小学6年で秋田市に転校し、以来ずっと秋田市で暮らしています。
 
最近はアトピーや食物アレルギーにかかる子は珍しくもありませんが、私が小学生の頃は周囲にはそんな症状で苦しむ子は1人もいませんでしたし、アトピーやアレルギーという言葉を聞いたことすらありませんでした。
どうしてアトピー患者が増えたのか?
原因ははっきり断定できませんが、食生活や住環境の変化が複雑にからみあった結果によるものとも考えられています。
ちなみに1974年(昭和49年)から75年にかけて、作家の有吉佐和子が朝日新聞に連載した小説「複合汚染」は大きな社会的関心を集めました。
家づくりへの思い1

家づくりへの思い2

やりがいを感じた営業マンの仕事
私が住宅関連の仕事に携わるようになったのは、大学卒業後。大手ハウスメーカーに就職してからのことです。
住宅建築に関する知識はまったくありませんでしたから、もちろん営業職です。
一通りの研修を受けてから第一線に飛び出しましたが、仕事に予想以上のやりがいを感じました。
 
マイホームを建てるということは、お客さまにとっては大金をかける一生一大の大事業です。
完成後「こうすればよかった、ああすればよかった」とお客さんから反省の言葉が聞かれるようであれば、担当営業とすれば失格。
「あなたにお願いして本当によかった」と感謝されてこその営業マンだと私は思っており、その思いは今でもまったく変わっていません。
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オンリーワンのプラン
会社には敷地面積や建築資金によって、それに適したさまざまなモデルプランがありましたが、私はモデルプランをお勧めしたことも参考にしたこともほとんどありません。
とにかくお客さまのお話を聞かせてもらうのです。いや、雑談と言った方がいいかもしれません。
その話の中からお客さんの日常の生活やライフスタイルを探り出し、それに沿ったプランをお客さんの前で白い紙に描き起こしながら話し合いました。
会話を重ねるごとに全体像が浮かび上がり、間取りや内部の様子、外観が見えてきます。
これぞまさに、オンリーワンのプランです。
今でもこのスタイルは変わりません。
家づくりへの思い3

家づくりへの思い4

営業成績でトップになったことも
当時も今も大小さまざまな住宅メーカーが入り混じって、熾烈な受注競争が繰り広げられていますが、似たようなプランで同じような価格帯であれば当然サービス合戦、値引き競争です。
しかし私とお客さんが練り上げたプランは他社にはないものなので、私が提案した住まいは他社との競争に巻き込まれることはありませんでした。
完成後、機能や住み心地に満足したお客さんは友人や知人を新規のお客さん候補として紹介してくれるようになりました。これは営業マン冥利に尽きることで本当に嬉しいことです。
紹介してくれたお客さんのご厚意に報いるためにも常に全力で仕事に励み、結果的にそのハウスメーカーの東日本エリアの営業マントップの成績を収めるまでになりました。
家づくりへの思い6
営業の仕事はディレクション
私はこの大手ハウスメーカーに20年ほどお世話になりましたが、前半の約10年間は第一線の営業マンで、毎日のようにお客様の家や建築現場を回っていました。
私の考える営業とは、お客さんの要望や考えていることを会話の中からくみ取り、それを具体的なプランとして描き上げ、設計や建築現場に確実に伝える仕事です。
つまり、住宅の営業マンとは単に住宅を販売することではなく、設計担当や現場の技術者を上手にコントロールしてお客さまに納得の住まいを提供する、ディレクターのような仕事であると思っています。
家づくりへの思い17
50歳で優家団を立ち上げました
ハウスメーカーの後半約10年は管理職として部下の指導や取引先との打ち合わせ、会議などの仕事が多く、新規のお客様のお宅を訪問する回数はかなり少なくなりました。
それでも営業マン時代のお客様から「友だちの○〇さんが新築を考えているようなので、話を聞いてやってくれ」といった紹介もあり、少ないながらも営業活動はしておりました。
営業マンとしてのイロハを教えてもらい、住宅に関するさまざまなことを学ばせてもらうなど大変お世話になった会社でしたが、次第に小手先の「機能性」と「スタイル」だけを強調する会社の家造りの姿勢に矛盾を感じるようになり、50歳の時、ついに辞表を提出してしまいました。
遊んで暮らせる身分ではありません。さっそく次の仕事を探し始めました。
一日中社内にいて書類と格闘するような仕事には向いていません。どちらかというと、モノ作りに携わるような仕事がいいとあれこれ考えていたところ、以前から興味があった重機のオペレーターをしてみたいと思うようになりました。
さっそく知り合いの建設会社の社長に相談したところ、「オペレーターという仕事は見た目以上に大変だぞ。仕事にするということであれば、『やりたいことと、やれることは違う』。『仕事は、やれることをやった方がいい』」という返事に考えさせられました。
自分にとってやれることといえば、やはりマイホームを考えているお客さまに最高のプランを提示し、完成後「あなたに頼んで本当によかった」と喜んでいただくことではないか思うようになり、再び住宅販売の仕事につくことを決心。
優家団を設立するにいたりました。
家づくりへの思い18
求められる住宅とは?
当然のことですが、住宅に限らず自分で本当に納得した商品でなければ、お客様には自信を持っておすすめすることはできません。
私がかつて在籍した会社の住宅は確かに当時としては競合他社に比べて勝っている部分が多かったと思っています。だから自信を持って説明しおすすめすることができたのです。
しかし、時代と共にお客様の住宅に対する要望は変化しています。
例えば、かつては「安くて部屋数が多くて、見栄えのいい家」を要求する時代がありましたし、地震などの災害の後には、とにかく頑丈で丈夫な家が求められました。できるだけエネルギーを消費しないエコライフの家が脚光を浴びた時代もありました。
それではこれから優家団が販売しようとする住宅は何にポイントをおくべきか、これからの時代はどんな住宅を求めているのか、さまざまな角度から考えてみました。
家づくりへの思い13
健康に暮らせる住まいを
最優先にすべきだと考えたのは、安心して健康に暮らせる住まい、いわゆる「健康住宅」でした。
現在の大手ハウスメーカーに欠けているのは、この点ではないかと思っていたからです。
多くのお客様が住宅に求めているのは、外観や内部の見た目の美しさと機能性、住宅の強度、断熱・防音性能など、実に広範囲におよんでいます。これらの要望を満たし、できるだけ建築コストを下げるためには、建材や設備類の大量生産、工業化によるコストダウンは欠かせません。そのためには合板やビニールクロス、サイディング、発泡ウレタンなどなど、石油化学製品を原料とした接着剤や新建材を多用することになります。
結果、それらの住宅に住む人の中からシックハウス症やアレルギーの症状を訴え出る人が増え始めました。社会問題になったシックハウス症候群です。
楽しみにしていた新築の住まいでの生活が苦痛になるなんて、なんとも気の毒なことです。
私がハウスメーカーの営業マン時代、1人のお客さまから新居の臭いや体調の変化について相談されたことがありましたが、当時の私はシックハウス症に関する知識が乏しく、私の力だけではどうすることもできませんでした。多くのお客さまの中のたった1人でしたが、このお客さまからの相談内容が私の退社理由の一つになったことは確かです。
家づくりへの思い5

シックハウス症候群とは

使用建材は工務店まかせ?
年々アレルギー疾患の患者やアトピーの患者さんが増えつつあるようです。
身体に悪影響をおよぼすような食品添加物を含んだ食品を食べ、空気中に漂うさまざまな有害物質が複合的にからみあって、人間の体を変化させているのでしょう。
近年は食品の安全性への意識が高まり、加工食品には原材料や添加物等の表示が義務付けられています。
遺伝子組み換え作物、合成保存料・着色料は含まれているか等々、消費者は売り場でこの表示を自分なりの判断基準で確かめて購入することができます。
しかし住宅建築の場合はどうでしょう。使用建材に含まれる化学物質を詳しく調べてあれこれ工務店と相談する施主さまは、私のハウスメーカー時代はまったくといっていいほどおりませんでした。販売する営業マンも建材に含まれる化学物質など考えたこともなく、国が許可した建材で建てた住宅だから何も問題はないという意識でした。
長年地元に密着して地元の人たちの住まいを建ててきた工務店、大工さんたちも同じだったと思います。
「できるだけ安く上げてくれ」と頼まれれば、安い化粧合板やビニールクロスを仕入れて使うのは当然のことです。
食品に関しては消費者の安全に対する意識や知識は高まっていますが、こと住宅や建材に対する知識は工務店側でもまだまだ低いと言わざるを得ません。
家づくりへの思い15

家づくりへの思い14

■シックハウス法への疑問
住宅を建てる際は国交省定める建築基準法により、耐震強度、防火性能など、さまざまな規制基準が設けられています。
シックハウス症候群が社会問題化されてからは、2003年にやっと「シックハウス法(改正建築基準法」が施行されました。
しかしこの法律の施行後に建てられた住宅においても、頭痛、めまい、吐き気、皮膚のかゆみなど、シックハウス症の症状を訴える人は少なくありません。
なぜなら、厚労省が指針値を設定したシックハウス症候群の原因物質は13種類におよびますが、シックハウス法が規制する化学物質は「ホルムアルデヒド」と「クロルピリホス」の2種類だけ。つまり、ホルムアルデヒドの発散量が微少で「F★★★★(フォースター)」に認定された建材であれば、他の化学物質がどんなに含まれていても無制限に使用できてしまうことになります。
原因物質の残り11種類はまったく発散量が規制されていないので、シックハウス法の効果のほどははなはだ疑問といわざるを得ません。
安心・安全の建材をカイケンから
安心して暮らせる「健康住宅」を建てるには、建築資材の仕入れ先が重要です。
会社を立ち上げ、あちこちの会社から資料を取り寄せて検討していたところ、ハウスメーカー時代に知り合った九州の社長からカイケンの家造りに関する話をお聞きしました。
さっそく資料を送っていただき読んだところ、私の会社の進むべき道がしっかりと見えてきたような思いがしました。
九州と秋田では気候風土がかなり異なりますが、メインはあくまでカイケンの資材を使わせていただくこと。
そして秋田に合わせた多少のアレンジが必要なことも分かりました。
 
カイケンの資材なら、お客さまに自信を持っておすすめできる家づくりができる。
お客さまから感想をいただく度、その思いは確信に変わっています。
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